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唐沢ちあきエッセイ

エッセイ1

「この党を大きくすることに、日本の未来はかかっているのではないでしょうか!!」いつにもまして、熱と力がこもる志位さんの言葉。第41回赤旗まつりの2日目、野外ステージでの記念講演だ。4年ぶりに開催されたまつりへの参加者数は3日間で15万人。これだけの人が集うまつりを手作りで運営してしまうわが政党の底力を実感し、なんだかそれだけで感動してしまう。

 31日、前日準備のために会場に向かった。10人乗りの大きなワゴンをレンタルして、長野県のテントに持ち込むもの…丸椅子やらハンドマイクやらブルーシートやら紅白幕やら看板設置用の角材やら…雑多な荷物とともに移動する。県委員会からは宮下さんを中心に、矢口・木内・中野各常任委員と私。翌日からの雨予報に備えて、到着するや否やテントの補強と防水対策からスタート。長野県関係者のみならず、長野にゆかりのある方々も押し寄せるであろう翌日からは、接待が主な仕事になる。テーブルと椅子を並べて、荷物置き場も作って、ガス台の設置にお茶とお菓子を用意。まつりに来ているとはいえ、そこは要員。やることは結構あるものだ。

 ステージではリハーサルが行われ、マイクを通して懐かしい声が響いてくる。声の主は党中央委員会・学術文化委員会の朝岡晶子さん。インターネット番組「とことん共産党」の司会でおなじみの素敵な女性だ。彼女とは11年前からの知り合い。私の以前の職場・長野高教組の上部組織である全日本教職員組合に彼女が勤めていた関係で、全国の集会で何度も顔を合わせたものだ。当時からバリバリと活躍する彼女を、書記の先輩として尊敬していたし親しみもおぼえた。どこかしら波長が合うようなところがあり通じるものを感じていたが、仕事をやめてこの活動をすると決断した時期も相談したわけでもないのにほとんど一緒という、実に不思議な縁がある。そういえば彼女が中央委員会に勤め出してから初めて私が党本部に行ったとき、代々木のドトールでお茶しながら「やっぱり社会変革だよね」なんて熱く語り合ったっけ。私にとってまさに「同志」。そんな彼女の声を聞きながら、せっせと会場づくり。直接話はできなくとも、いま、ここで、お互いにがんばっているのだと勇気づけられる。

 それにしても、SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)の威力はすごい。直接会ったこともない人と、そのシステムを使ってすでに知り合いになっている訳だから。とりわけフェイスブックでは党関係の人たちと「お友達」になることが多く、日常的に近況を交流しあっているので、初めて会う人でも初めての気がしない。「●●県の●●さんですよね?」なんて会話がそこここで行われている。
知人との初めての対面(?)が、私にもいくつもあった。各県各地区の専従や議員さん、同じ候補者の肩書を持つ人、教職員組合関係の人…。中には大学の後輩だと訪ねてくれた青年たちもいた。あらためて、同じ志を持つ仲間が全国にこんなにいることを実感して、胸が熱くなる。ちょっとしたことでもすぐに感動してうるうるしてしまうのは、アラフォーを超えてアラフィフに向かっている証拠なんだろうか。

 長野県のテントでは3日間とも、お昼の時間に交流集会を開いた。2日目には北陸信越ブロックの交流集会が、また民主長野県人会もタイアップして行われた。地元の国会議員としてすっかりおなじみとなった井上さとし参院議員、そしてまさにその集会の2時間後に次期衆議院選挙の比例代表候補として正式発表となった藤野やすふみさんが、ごあいさつに立つ。安倍首相本人はまったく解散は考えていないと言っているようだが、いやいやヤツのことだ、わからないぞ。いつまた急にお腹が痛くなって政権を投げ出すやもしれぬ。そのときこそがチャンス。今度こそ必ず藤野さんを国会に送って、衆議院比例北陸信越ブロックの議席を奪還せねば!

 野外ステージのフィナーレを飾るのは、「ソウル・フラワー・ユニオン」。阪神・淡路大震災や沖縄米軍基地問題、また原発問題や反戦など社会問題を取り上げてきたロックバンドだ。2006年、前々回の赤旗まつりに初出演し、今回このステージに戻ってくるということで興味本位でのぞきにいくと、熱気がすごい。ステージ周辺では青年層を中心にみなタテノリで踊りまくっており、ほぼライブ会場と化している。圧倒的なパフォーマンスとその音楽性。ズンズンとお腹に響くドラムの重低音が心地よい。「八代亜紀がステージに立つのを見て、共産党もついに紅白出場歌手を呼べるまでになったかと感慨深くなった」という話はたくさん聞いたが、私はむしろこのライブの様子を眺めて同じ思いを抱く。無党派層と共産党との垣根は確実になくなってきていると。
ライブで必ず歌うという「満月の夕(ゆうべ)」。阪神淡路大震災の1ヶ月後に復興への思いをつづったその曲の一節が、心に残る。「解き放て いのちで笑え 満月の夕」
音楽の偉大さをかみしめた。

(更新日: 2015年01月16日)

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